歯周病とは
細菌感染によって歯ぐき(歯肉)に炎症が起きたり、歯を支える組織(歯周組織)が破壊されていく病気です。歯と歯肉の間に、細菌の塊である「プラーク(歯垢)」が付着することが原因となって起こります。プラークの中には、およそ300~400種類の細菌がいます。右の写真は位相差顕微鏡でみた口の中の細菌です。普通の人で2千億、歯周病がひどい人では1兆個ほどの細菌がいるといわれています。歯垢は粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。歯垢の中の細菌が歯肉に炎症を引き起こし、やがて歯を支えている骨を溶かすのです。
歯周病を悪くする要因
歯周病菌は下記のような条件のとき増殖して、歯周病を悪化させ、かつ、全身へ影響を及ぼします。
1.喫煙
タバコの煙に含まれるニコチンやタール、一酸化炭素などは、口の中の粘膜を刺激し、歯肉を厚くします。すると、歯と歯肉の間の溝が大きくなってプラークが増殖しやすい環境になります。また、ニコチンは毛細血管を収縮させるため歯肉の血行を悪くして炎症を悪化させます。
2.糖尿病
歯周炎は、歯肉の境目のポケット(歯周ポケット)に入り込んで繁殖した嫌気性細菌(歯周病関連細菌)の感染による慢性の炎症性疾患です。そのでき方(発症)や進み方(進行)には、遺伝的因子や環境的因子など加えて、からだの抵抗性が大きく関与しています。
したがって、糖尿病により、からだを守るマクロファージの機能低下、結合組織コラーゲン代謝異常、血管壁の変化や脆弱化(細小血管障害)、創傷治癒の遅延など起こり、歯周病の発症・進行に影響を与えます。その結果、糖尿病があると、歯周病関連細菌により感染しやすくなり、炎症により歯周組織が急激に破壊され、歯周炎が重症化していきます。
3.降圧薬
降圧薬の中には、歯肉を腫れやすくする副作用をもつものがあります。特にプラークがひどいと、腫れがいっそう悪化しやすくなります。すると、歯周ポケットが深くなって、歯周病菌が増えやすいのです。
歯周病の進行
健康な状態
歯肉の色は薄いピンク色で、歯と歯ぐきのすき間(ポケット)もなく、歯ぐきが引き締まっています。ブラッシングをしても出血はしません。
軽度歯周病(P1)
歯肉の炎症が進行すると歯と歯肉の付着器官が溶け、歯周ポケットができます。
中度歯周病(P2)
炎症が更に悪化すると歯槽骨と溶けて歯根部が露出し、冷たいものや熱いものがしみたりします。
重度歯周病(P3)
歯槽骨がほとんど無く、歯根が露出し、最後には抜けてしまいます。